色々な技術、特に人が手に持ち扱う技術は果たしてどこまでも進歩していけるのか?
そう考えたことがあるだろうか。
例え技術が進歩しようともその技術を使用する人はそれに見合う身体能力を持てていけるとはいえない。
例えば視力。人はある程度の速度を超えると見える範囲が狭くなっていく。これは人の動体視力には限界があり、さらに言えば例え見えていてもすべてを脳が処理をすれば脳に多大な負荷がかかるために体が無意識にセーブしている。
話がそれるが走馬灯という言葉を知っているだろうか。走馬灯は人が事故にあった際に一時的に脳の処理能力のセーブをはずし、脳が過去の出来事から回避方法を見つけるために高速に昔を思い出していることから起こる現象である。
もしかするとこの現象状態であれば見れる範囲はかわらないかもしれないが…
話を戻そう。技術が進歩しても絶対に問題になることがある。特に乗り物、人の体は急激な加速をすると高い負荷がかかる。つまりは…
「くっ……いつもながらあまりなれたくない感覚ね…」
つまりはACにのるレイヴンはある種の極限状態にいつもいるのである。
メイはフェイと分かれてから一路MT部隊の展開されている場所近くの小さな丘のふもとを目指している。これは丘のふもとから一気にMTに接近、フェイからの支援の下に全撃破を予定しているからである。
予定している地点に近づくとメイは速度を徐々に落としていく。
「このあたりでいいかしらね。さて…」
呼吸を整えグリップを握る。そして通信を開きフェイに語りかける。
「戦闘開始まで30カウント…フェイ、大丈夫?」
『…うん、大丈夫。』
「じゃあ…カウント開始。」
スピーカーからもれるフェイの言葉にいつも後ろを預ける安心感を得て、メイは空中に飛び出して高速の世界に飛び立つ。
圧倒的な加速から感じる自分の体が別離するような感覚に思いをはせながら、世界は加速する。
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